結婚前のお試し同棲って、必要?

同棲、結婚、恋愛、婚活

会員のK美さんから、真剣交際相手のUさんについての相談がありました。

「相変わらず毎日LINEしていますし、週1ではお会いできています。でも、彼は結婚にはとても慎重のようです。この間のデートの時、『最初は、家具付きのマンスリーマンションとかでお試し同棲生活をしてから、入籍したいんだけど、どう思う?』と言われました」

なぜこんな提案をしてきたのか。Uさんには、こんな過去がありました。

2年前に相談所で結婚。入籍して一緒に暮らすようになったら、思っていた結婚生活とは違っていた。女性は、自分の部屋に篭り切りで、夜になると自分の母親と2時間コースの長電話をするのが日課。寝室も別々。一緒に暮らすようになって3か月後には、実家に帰ってしまい、その後、女性のサイン済みの離婚届を持った弁護士が現れた。そこにUさんがサインをして、離婚が成立。離婚はあまりにも一方的で、彼女はUさんの前に姿をあらわすこともなく、結婚生活は終わった。

K美さんは、続けました。

「彼は一度失敗しているから、結婚に慎重になる気持ちはわかるんです。けど、お試し同棲をして、その後、結局結婚できなかったらどうなるのかなって。あと考えようによっては、私を結婚相手として信用していないということですよね。私とUさんとでは、お互いを思い合う熱量が違う気がしてきました」

仲人の経験則から言えば、お試し同性を提案する人は、思いのほか多いのです。私の別の女性会員(25歳)も、真剣交際に入っている男性(29歳)から、お試し同棲を提案されて、今戸惑っています。

また、数年前の話ですが、39歳の男性が32歳の女性から、お試し同棲の話を持ち出されました。女性は、バツイチで、K美さんのお相手のUさんと同じような経験をしていました。入籍はしたものの、結婚の実態がないままに半年後に離婚になったのです。

39歳男性も“お試し同棲“を提案してきた彼女に、不安を抱いていました。しかし、入籍を強行突破したら、2人の関係は終わってしまうと考え、彼女の提案を受け入れました。

そうして、同棲から1年後に入籍をしました。

「お試し同棲をしてから、結婚したい」

それを提案してくる人たちの気持ちも、理解できます。

一緒に暮らしてみないとわからないことはたくさんある。生活習慣や相性が合わなくて、“やっぱり結婚は考え直そう“と思うかもしれない。たった紙切れ1枚ですが、入籍してしまったら、関係解消をすることは“離婚“となり、戸籍にそれが残ってしまいます。

一方で提案された側の「お試し同棲をするのはいいけれど、その後に結婚できなかったらどうするのか?」「そんな期間を設けたいというのは、結婚への熱意が足りないのでないか?」「本当に私のことを真剣に考えているのか?」

そう思ってしまう気持ちもわかります。

こんな問題が持ち上がった時に、どうしたらいいか。

私は、「お相手がそれを望んでいるなら、それを受け入れてあげましょう。ただし、同棲する期間は、きっちりと区切った方が良いですよ」とアドバイスしています。

さらに、同棲する前には、両家の親御さんにキチンと挨拶を済ませて、“これから結婚をする婚約者である“と紹介しておく。親御さんに許可をいただいてから、同棲をする。

そうした段取りを踏んでいれば、入籍前に同棲しても良いのではないでしょうか?