お見合いで大切にしたいマナーとは

第一印象が未来を変える1時間

お見合いは、結婚を前提にした出会いの“最初の一歩”です。
時間にすれば、わずか1時間前後。けれど、その1時間の中で「また会いたい」と思ってもらえるかどうかが、今後のご縁を左右します。だからこそ、お見合いでは「マナー」がとても大切になります。

マナーと聞くと、「堅苦しい」「形式的」と思う方もいるかもしれません。ですが、本来のマナーとは、“相手を思いやる気持ち”を形にしたものです。言葉づかいや身だしなみ、姿勢や態度──そのすべてが「あなたと出会えてうれしい」という気持ちを伝えるサインなのです。

1.第一印象は「見た目」で決まる

お見合いの第一印象は、わずか数秒で決まると言われています。
その印象を決める大きな要素が「清潔感」です。

男性なら、シワのないシャツ、きちんと磨かれた靴、短く整えた髪型。
女性なら、上品で明るい色の服装、ナチュラルなメイク、控えめなアクセサリー。
香水は強すぎない程度に、ほんのり香るくらいが好印象です。

特別に高価な服を着る必要はありません。大切なのは、「この日のためにきちんと準備してきた」と相手に伝わること。身だしなみの丁寧さは、誠実さの象徴です。

2.笑顔と挨拶が、心の距離を近づける

お見合いの場に到着したら、まずは笑顔で挨拶をしましょう。
たった一言、「はじめまして、今日はお会いできて嬉しいです」と伝えるだけで、場の空気が柔らかくなります。

緊張していても構いません。大切なのは、相手に“敵意のない温かさ”を感じてもらうこと。
笑顔と姿勢、声のトーンを意識するだけで、印象はぐっと良くなります。

お辞儀の角度も軽く45度ほどで丁寧に。視線を下げすぎず、しっかりと相手の目を見て挨拶をすることで、誠実さが伝わります。

3.会話の基本は「聞く力」

お見合いでは、自分をよく見せようとして、つい話しすぎてしまう方がいます。
けれど本当に印象に残る人は、「聞き上手」な人です。

相手の話をよく聞き、笑顔でうなずき、共感の言葉を返す。
「そうなんですね」「わかります」「それはすごいですね」と、相手の言葉に小さく反応を返すことで、会話は自然と弾みます。

質問をする時も、“尋問”にならないように気をつけましょう。
「どんな仕事をされていますか?」だけでなく、「そのお仕事、やりがいはありますか?」と一歩踏み込むと、心の交流が生まれます。

また、話題選びにも配慮が必要です。
お見合いでは、過去の恋愛、政治や宗教、お金の話題は避けましょう。
相手の価値観を否定したり、自分のこだわりを押し付けたりすると、一気に距離ができてしまいます。

代わりにおすすめなのは、「趣味」「休日の過ごし方」「好きな食べ物」「旅行」「映画」「出身地」など、明るく前向きな話題です。
会話の目的は“相手を評価すること”ではなく、“知ること”。
「この人と話していると居心地がいい」と感じてもらえるように意識しましょう。

4.態度や仕草にも心を込めて

お見合いでは、何気ない仕草にも人柄があらわれます。
たとえば、スタッフや仲人さんへの態度、カフェでの注文の仕方、飲み物を置く手つき──その一つひとつに「品」が出ます。

椅子に浅く腰かけ、背筋をまっすぐに保つだけで、印象はぐっと良くなります。
スマホはテーブルに置かず、会話中は見ないこと。
話の途中で腕を組んだり、時計を見たりするのも、相手を不安にさせてしまう行為です。

「丁寧に向き合う」ことが、お見合いの基本マナー。
相手に誠実に接する姿勢こそ、最も伝わる“品格”です。

5.お見合い後のマナーが、ご縁を左右する

お見合いが終わったら、「今日はありがとうございました」と笑顔でお別れを。
帰宅後は、仲人を通じて感謝のメッセージを伝えると印象がさらに良くなります。

「緊張していたけれど、お話ししやすくて楽しい時間でした」
「またお会いできたらうれしいです」

たったそれだけでも、相手は“感じの良い人”という印象を持ちます。
お見合いの結果は、仲人を通じて伝えるのがルール。
直接連絡を取るのは、双方が交際希望になってからが基本です。

マナーを守ることで、相手への思いやりが伝わり、信頼が生まれます。

6.マナーは「型」ではなく「心」

お見合いマナーの目的は、“正しくふるまうこと”ではなく、“心地よい空間を作ること”です。
それはつまり、相手への敬意と感謝を形にすること。

「忙しい中、私に会うために時間を作ってくれた」
「初めて会うのに、真剣に向き合ってくれた」

そうした相手への感謝を、言葉や態度に込めるだけで、印象は驚くほど変わります。
お見合いは、ただ結婚相手を探す場ではありません。
人としての温かさや誠実さを通じて、“ご縁”を紡ぐ場なのです。

7.お見合いは「心を映す鏡」

マナーの良し悪しは、相手への思いやりがあるかどうかを映し出す鏡のようなものです。
上手に話そうとするよりも、「感じよくいよう」と心がけること。
完璧を目指すよりも、「相手を大切にしよう」という気持ちを忘れないこと。

その優しさや誠実さが、自然とあなたの魅力になります。

お見合いの時間は短くても、そこに込めた“真心”は、必ず相手に伝わります。
マナーは、あなたの人柄を引き立て、ご縁を引き寄せる力です。

一つひとつの所作、言葉、笑顔──そのすべてが、未来の幸せへとつながる大切な一歩になります。