婚活で結婚を決める人に共通する「思いやり」と「可愛げ」
婚活をしていると、どうしても「条件」に目がいきがちです。年収はいくらか、学歴はどうか、どんな会社に勤めているのか、そして女性なら年齢や容姿など……。確かに、結婚を考えるうえで条件は大切な要素です。しかし、私が長年多くのご成婚を見届けてきて、心から実感することがあります。
それは——
結婚を決めていく人たちに共通しているのは、条件ではなく“人柄のあり方” だということです。
男性に求められるのは「寄り添う姿勢」
まず、男性について。
これまでの経歴がどんなに立派でも、それだけで女性の心は動きません。むしろ、高学歴・大企業勤務・高収入……と条件が整っている男性ほど、時に“無意識の上から目線”が顔をのぞかせてしまうことがあります。
「自分はこれだけやってきたのだから、女性から選ばれて当然」
「女性が自分に合わせるべき」
こうした態度は、たとえ言葉に出さなくても、表情や会話の端々ににじみ出てしまうもの。女性は敏感にそれを感じ取り、「一緒に生活していくのは難しい」と思ってしまうのです。
逆に、条件が整っていても謙虚で、相手に興味を持ち、話をよく聞いてくれる男性はとても魅力的です。女性にとっての安心感は、華やかな経歴以上に大切な要素。
「この人となら、困難があっても乗り越えられる」
そう思える男性こそ、結婚を決めていけるのです。
女性に求められるのは「思いやりと可愛げ」
一方で女性について。
現代の女性は仕事を持ち、自立している方が多いです。それは素晴らしいことですし、婚活市場でも魅力的なポイントです。ただし、注意が必要なのは「そのままの姿勢」でお見合いに臨むと、男性が萎縮してしまうことがあるという点です。
「私が、あなたを選びます」
「私は自立しています。男性にも自立を求めます」
そんな雰囲気を漂わせてしまうと、男性は「自分の居場所がないのでは」と不安になってしまいます。
ここで大切なのが、思いやりと可愛げ。
決して媚びるのではなく、相手を立てるちょっとした仕草や「ありがとう」と笑顔で伝える一言。相手の話に「すごいですね」「頼りになります」と素直に反応する姿勢。それが、男性にとっては「自分が必要とされている」という実感につながります。
結婚を決めていく女性は、この“ちょっとした可愛げ”を自然に出せる方なのです。
条件ではなく「人として一緒に生きたいか」
婚活において、多くの方が最初は条件から相手を探します。
もちろんそれは大切です。結婚は生活ですから、価値観や経済基盤が合わなければ難しいのは事実です。
しかし、条件がどれだけ合っていても、最後に結婚を決めるかどうかは「人として一緒に生きていけるか」にかかっています。
・この人となら、日常が楽しくなりそう
・この人となら、弱い自分も見せられる
・この人となら、困難も支え合える
そう思えたときに、人は結婚を決意するのです。
実際の成婚者に見る「決め手」
私の相談所でも、数多くの成婚を見てきました。条件面で申し分のない方もいれば、そうでない方もいます。けれど、不思議なことに、結婚を決める人たちの「決め手」はいつも似ています。
それは——
「この人は自分を大切にしてくれる」
「一緒にいて居心地がいい」
この二つに尽きるのです。
ある男性は、会社では管理職として部下を率いている立派な方でしたが、お見合いの場では相手の女性にじっくり耳を傾け、決して否定せず「そうなんですね」と受け止めることを心がけていました。女性からは「安心感があった」という言葉が多く聞かれ、短期間でご成婚に至りました。
また、ある女性はキャリアウーマンで多忙な日々を送っていましたが、お見合いの席では「あなたの仕事、すごいですね」「尊敬します」と男性を自然に立てていました。男性は「自分の価値を認めてもらえた」と感じ、関係は一気に深まりました。
このように、最終的に結婚を引き寄せるのは、学歴や年収の数字ではなく、相手を尊重する姿勢なのです。