結婚できる人とは、どんな人か――その答えはとてもシンプルです。
結婚相談所という場所で日々、人のご縁に向き合っていると、「結婚できる人」「結婚できない人」という、ある種、残酷とも思える現実に向き合う場面が多々あります。
けれど、その線引きは、実は学歴や収入や容姿、年齢ではありません。もっともっと、目には見えにくいところに、その分かれ道はあります。
たとえば、ご実家が仲良く、家族に恵まれている方。
たとえば、収入が安定していて、暮らしに困ることもなく、仕事も認められ、満たされている方。
たとえば、学歴やキャリアにおいて、ある程度の誇りを持って生きてきた方。
たとえば、見た目も悪くなく、むしろ人から羨ましがられるほど整っている方。
そういう方々ほど、口には出さずとも、こんな思いを心のどこかに抱いていらっしゃいます。
「自分に見合う相手なんて、そう簡単にはいないわ」と。
誰しも、選ぶ権利はあります。
けれど、婚活において、この「選ぶ」という行為は、時として、自分の未来を閉ざしてしまうことがあるのです。
選ぶことは悪ではありません。
むしろ、自分の人生に誇りを持っているからこそ、大切に選びたい——その気持ちは痛いほど、よくわかります。
ですが、その「選ぶ目」が、知らず知らずのうちに「減点方式」になってしまってはいないでしょうか。
ちょっとした言い回しが気になる。
LINEの返事が遅い。
趣味が合わない。
食べ方が気になる。
年収が少し足りない。
兄弟構成が気になる。
それらは本当に、あなたの幸せにとって致命的な欠点でしょうか。
完璧な人など、この世にいません。
自分だって、完璧ではないはずなのに、相手にはそれを求めがちになるのが、人という生き物なのかもしれません。
でも、成婚していく方々に共通している、たったひとつの資質があります。
それは、「人を好きになる力」がある、ということ。
どういうことかと言いますと、相手の“良いところを見ようとする気持ち”がある方は、ちゃんとご縁をつかみます。
「あ、こういうところ、いいな」
「こういう考え方、素敵だな」
「ちょっと不器用だけど、そこがまた、人間らしくていいな」
そんなふうに、相手の良さに目を向けられる人は、自然と、相手にも好かれます。
そして、そんなふうにして結ばれたご縁は、時間とともに、深まっていくものです。
逆に、「もっと条件のいい人がいるかも」「もっと理想に近い人が現れるかも」と、いくらでも選べる気でいる人は、不思議と、誰からも選ばれません。
“選ぶ側”でいようとするうちは、“選ばれない側”になってしまうのです。
婚活とは、つまり、鏡のようなもの。
自分がどんな目で相手を見ているか、その姿勢は、そのまま自分に返ってきます。
家族仲が良くて、寂しさを知らない人は、結婚しなくてもいい理由が心のどこかにあります。
経済的に困っていない人は、一人でも生きていける自信があります。
学歴やキャリアがある人は、自分にふさわしい人を慎重に探します。
外見に自信のある人は、相手にもそれを求めがちです。
だからこそ、そうした方ほど、実はご縁をつかみにくいのです。
心にほんの少しでも「妥協」という言葉を許さないと、扉は開かれません。
けれど私は、その「妥協」という言葉が嫌いです。
「歩み寄り」と言い換えたい。
相手の価値を見つけようと、自分の視点を少し変えてみる。それが「妥協」などではなく、大人の知恵であり、優しさであり、人を愛する姿勢だと思うからです。
結婚できる人とは、どんな人か。
それは、条件が整っている人でも、環境が良い人でもありません。
自分の中に「人を愛せる心」「相手を理解しようとする気持ち」を持っている人。
その心が、自然と相手を惹きつけ、結果として、ご縁を結びつけていくのだと思います。
もし、今あなたが、婚活に行き詰まりを感じているなら、ぜひ、考えてみてください。
私は相手を、どんな目で見ているだろう?
私は相手の「足りないところ」ばかりを数えていないだろうか?
私は、自分が求めるだけでなく、相手に何を差し出せるだろうか?
そこに気づけたとき、不思議と、ご縁は目の前に現れてくれるものです。
「好きになる力」。
これさえ持っていれば、どんな方にも、必ずご縁は訪れます。
「最短結婚ナビ」は、そんなあなたの背中を、そっと押す存在でありたいと、いつも願っています。
あなたらしい未来のために。
心から、応援しています。
――最短結婚ナビ 鎌田れい