「年近婚」が静かにブームになっている理由

こんにちは。仲人の鎌田れいです。

日々、婚活の現場に身を置いていると、「時代の変化」というものを肌で感じることがあります。最近、特に増えてきたのが「年近婚」、つまり年齢の近い者同士の結婚です。以前は「姉さん女房」や「年の差婚」が話題になった時期もありましたけれど、今はむしろ「同じくらいの年齢の人と一緒になりたい」という声が圧倒的に多い。

なぜ、今「年近婚」が注目されているのでしょうか?
今日はその理由を、婚活現場の実感とデータを交えてお話ししてみたいと思います。

データが示す「年近婚」の増加傾向

国立社会保障・人口問題研究所が2021年に発表した「第16回出生動向基本調査」によると、夫婦間の年齢差で最も多いのは「夫が2~3歳年上」のカップルで、これは全体の約40%。さらに「同年齢」や「1歳差以内」のカップルも含めると、実に6割以上が“3歳差以内”に収まっているんです。つまり、結婚するカップルの大多数が「年が近い」わけですね。

これは10年前、20年前と比べても大きな変化です。かつては「男性が5歳以上年上」というケースがもっと多かった。それが今や、女性も男性も“ほぼ同世代”で結ばれることが当たり前になってきているのです。

「同じ時代を生きてきた安心感」

この変化の背景には、社会全体の流れがあります。

男女ともに高等教育を受けることが当たり前になり、20代後半〜30代で社会に出て、仕事に励む。それにともなって、出会いの場も大学や職場といった「同世代」が集まる空間に集中しています。

年齢が近いと、話が合いやすい。育ってきた時代が同じだから、観ていたテレビ番組も、流行った音楽も、笑えるポイントも似ている。そういう共通項が、結婚生活においては大きな安心感につながるのです。

たとえば「ゆとり教育ってさ」「Winny事件って覚えてる?」なんていう話題で盛り上がれる。これって、ちょっとしたことのようでいて、実はすごく大切なことなんですよ。

「対等な関係」が求められる時代

もうひとつ、大きな理由があります。それは、女性たちの意識の変化です。

今の女性は、昔のように「結婚したら家庭に入る」のが当たり前ではありません。自分で働き、自立し、人生を自由にデザインする時代です。だからこそ「対等な関係」を望む傾向が強くなっています。

実際、私のところに来る女性たちの多くがこう言います。

「人生を一緒に歩いていける相手がいい」
「年上すぎると価値観が合わない気がする」
「上から目線の男性はちょっと苦手で…」

そんな中で、自然と選ばれていくのが「年齢の近い男性」。同じ温度感で会話ができて、お互いの意見を尊重しあえる関係。これこそが、今どきの結婚に求められているものなのです。

婚活市場が後押しする「年近婚」

加えて言うなら、婚活サービスの進化も「年近婚」を後押ししています。

マッチングアプリや結婚相談所では、年齢や希望条件を細かく設定できますよね。最初から「2〜3歳差以内の相手」に絞って検索する方もとても多い。実際、私が運営している結婚相談所でも、30代の女性会員さんたちの多くが「できれば年齢が近い人と出会いたい」と希望されています。

年齢が近いと、ライフプランも立てやすいんです。たとえば子どもを持ちたい場合、同世代同士の方が妊娠・出産・育児への理解が得やすく、協力体制も築きやすい。また、老後の過ごし方や働き方についても価値観をすり合わせやすいんですね。

まとめ:合理的で自然な選択

「年近婚」が静かにブームになっている今、それは決して一時的な流行ではなく、時代の変化がもたらした“必然”なのかもしれません。

結婚は、何よりも“日常”の積み重ね。恋愛のトキメキよりも、「共に笑い、支え合える関係」を築ける相手こそが、人生のパートナーとしてふさわしい。

そう考えると、「年齢が近い」ことは、価値観や生活リズムが合いやすいという、大きなメリットになるのです。

今、あなたのまわりにも、同世代で“なんとなく気になる人”はいませんか?
その「なんとなく」が、幸せのヒントかもしれませんよ。